■2005年7月10日(日)14:00 ■ドーンセンター

■出演者 34名
T1:竹村雅之、名迫行康、岡田伸太郎、角辻 豊、中川知哉、山崎祥治朗。
T2:子安一男、木村正通、糟谷慶作、細谷正純、藤本好司、辻 輝夫、内田裕樹。
B1:近藤 毅、橋本聰一、今村陽一、田口孝人、桝田征也、片桐知之 前川洽治、
松岡不識(*)、山田雅朗、野中聡洋、渡辺紘輝。
B2:桂 豊、大島恵介、中野洋介、青山令道、三瀬高司、田嶋克彦、
佐々木泰介、傘谷愛信、田麦顕大、瀬川裕司。
(*)印 東京メンバー

■報告(竹内雅之)
大阪男声合唱団は、第5回定期演奏会を7月10日(日)、大阪・大手前のドーンセンターで開催した。今年の定演で数えて5回目、毎年、連続で開催したこととなる。
当日はあいにくの梅雨空、雨も降ったり止んだりであったが、入場者数はここ毎年、右上がりで、400名にもう少しのところまで迫ることができた。因みに、昨年第4回は308名、今年は383名、全員で頑張った結果が現れた。

さて、我々団員は10時に楽屋集合、10時15分から声出し、直前練習に移った。11時半からはステージに移り、さらに磨きを懸ける。
昨年と同じく、13時30分開場、14時開演。場内アナウンサーは昨年に引き続き上田紫布さんに担当して頂いた。団員一同、舞台下手の袖に集合、緊張の内に舞台に進み出て整列した。

第1ステージは青山令道指揮、武知朋子さんのピアノで我が団が得意とするヨハン・シュトラウスII のワルツ、「美しく青きドナウ」で開幕した。
途中のワルツ第4には、竹村雅之、岡田伸太郎のテナー・デユエットも入り、ウイーン・フィル・ニューイヤー・コンサートでおなじみの曲につれて、雰囲気も盛り上がる。つづいて、同じくヨハン・シュトラウスII のワルツ「皇帝円舞曲」、これも、ワルツ第1から第4を経てコーダに至る長大で壮大な曲。次第に声も慣れてきて、会場にはウイーンの雰囲気も漂ってくる。

第2ステージは傘谷愛信指揮、武知朋子さんのピアノで「フランスの詩による男声合唱曲集・月下の一群」(堀口大学・訳詞 / 南 弘明・作曲)より①雨の巷に②あの娘③秋の歌④輪踊り⑤小曲を演奏した。有名なヴェルレーヌの「雨の巷に降る如く、わが心にも涙降る」で始まる曲を始めに、緩・急・緩・急・緩の配置として演奏、フランスの詩人の持つ独特の感性を表現出来たと思っている。

インター・ミッションを挟んで、第3ステージは特別出演の池上英樹さんのパーカッション・パフォーマンス。
「鉄は熱いうちに打て!」作曲者の岡田加津子さんによる「ミニシアター」、楽器や既存の演奏概念を超えたところで、「それでも人は音楽する」という作曲者自身の独特の世界の具現化である。
徐々に明るくなっていくステージ上手に、スチール製収納ボックスが。中程にスチール製キヤスター付き洋服懸け、そして下手側には、道路工事で見かける鉄柵が・・・。洋服懸けや鉄柵にはいろいろな「鳴りもの」がぶら下がっており、舞台の床上にも何か、鳴りそうなものが置いてある。
やがて、どこからともなく微かな打音が聞こえてくるが、だんだん大きくなる。何と、収納ボックスの中から聞こえてくる打音である。クライマックスに達したところで、収納ボックスの中から、池上さんが「転げ出てくる」。思わぬ展開に、客席からは笑いと拍手が・・・。その後、作曲者の岡田さんもステージ・ドレスをまとって、舞台に登場、これまた、鳴り物を鳴らしながら、舞台を横切っていく。
こんな展開で約20分、聴衆の笑いと拍手で、特別公演は終わった。本日の熱演に対し、池上さん、岡田さんに花束が贈呈された。

第4ステージは青山令道指揮、武知朋子さんのピアノで委嘱作品、男声合唱曲「梁塵秘抄」。作曲者、青山政雄先生は指揮者・青山令道のおじさんに当たる。
一昨年、第3回定演では第1部として演奏した「梁塵秘抄」の第2部に当たる。
①祝い②春立つと③わがやどの④わが宿の藤波とほととぎす⑤ありあけの月と山おろしの風⑥君が愛し綾蘭笠⑦小柳・春、の7曲を演奏した。
いわゆる「和楽器」の音調を基本とした作品は、一昨年の演奏でも好評であったが、今回も独特の雰囲気がピアノ伴奏による男声合唱で表現され、「梁塵秘抄」の持つ、その時代独特のロマンテイシズムが表現できたと思っている。わざわざ会場にお越し頂いた青山政雄先生には、お礼の花束を贈呈した。

第5ステージは中川知哉指揮による無伴奏・男声合唱曲「ノスタルジア」(信長貴富・編曲)から①花②村の鍛冶屋③箱根八里④この道⑤故郷の5曲。これらの曲は、いずれも瀧廉太郎や山田耕筰等の先人により作曲され、小学唱歌等で親しまれた曲を、信長貴富氏が彩りを添えながら合唱曲として編曲されたもので、合唱音楽として廣く取り上げられている。
先の5月のANCORの会でも、当団が演奏し好評だった曲で、今回は二度目の演奏。更に完成度が高められ、一層、充実した演奏となった。

以上で予定された曲目の演奏はすべて終了したが、聴衆の皆さんからは、熱烈で暖かい拍手をいただき、アンコールはまず、中川知哉の指揮で「砂山」(北原白秋・作詞、中山晋平・作曲、信長貴富・編曲)を演奏、続いて、青山令道の指揮、武知朋子さんのピアノで、ウイーンのニューイヤー・コンサートでおなじみの「ラデツキー行進曲」(ヨハン・シュトラウスI世)を会場の皆さんの手拍子とともに演奏、アンコールの締めくくりとして、恒例により桂豊指揮で「Muss i denn 」で盛大な拍手の内に、第5回定演は滞り無く終了した。

引き続き、ドーンセンター1階のレストラン「ユイマール」で打ち上げを開催し、山田雅朗の司会で、大いに盛り上がった。

さて、以上が今年の第5回定演の一部始終であるが、今回は東京から松岡不識さんに参加いただいた。なお、松岡さんは関西に転勤されたので、今後は、関西メンバーとして、活躍頂くことになった。
また、会場ステマネ、受付等諸業務に現役・阪大男声の諸君の力をお借りした。また、合唱団の運営委員、定演実行委員に裏方を担当いただいた。お礼を申し上げたい。
昨年は体調不良であった糟谷氏は今回は見事、復帰され、プログラム作製、歌詞の訳詞等、全面的にお世話頂いた。同氏のご回復に祝意を表し、プログラム等の内容は勿論、経費面にわたってご尽力頂いたことにお礼申し上げる。また、今回は第5回という記念すべき定演にあたるので、青山団長から打ち上げの費用をご提供頂いた。深甚の感謝を申し上げたい。

なお、今回の定演にもOB会の皆さんに多数、聴きに来ていただいた。今後も、OB会のみなさんの一層のご協力をお願いしたい。