日時
2001年7月1日(日)14:00開演(13:30開場)

場所
イシハラホール

入場料
1,000円

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レポート (子安一男)

7月1日(日)肥後橋のイシハラホールにおいて、大阪男声第1回定期演奏会が開催されました。曲目は青山令道氏指揮「ドイツ合唱曲」「月光とピエロ」、そして中川知哉氏指揮「コダーイ男声合唱曲」。またルナ・バロック弦楽合奏団の賛助出演を得て、桂豊氏の指揮によりレスピーギ作曲「リュートのための古代舞曲とアリア」で彩を添えていただきました。定員250名のこじんまりしたホールに213人の聴衆を迎え、アットホームな雰囲気の中、多彩な曲目に加え、弦楽合奏団も参加したちょっとおしゃれな音楽会になりました。舞台にのったのは43名、うち東京からの参加は 53待山仁雄、55服部道彦、58淵山正樹、58奥村幸正、77甲和伸樹の5氏でした。

団としては久しぶりの本格的な演奏会とあって、練習不足などの不安を抱えての発車でした。事実本番でも危ない個所がいくつかあってのですが、小さな欠点を吹き飛ばす力強さと、きめこまかい表現を兼ねそなえた演奏で、観客から大喝采を浴びました。観客の確かな反応に確かな手応えを感じたのは私だけではないと思います。第1回の定期演奏会としては大成功と言っていいのではないでしょうか。

ドイツ合唱曲については、緊張感を持続したしっかりした演奏だったとの声があがっていました。特に第三曲のシューベルトの”Die Nacht”を超緩徐のテムポて歌い、くずれなかったトップテナーの発声は称賛に価するものです。終曲の「美しく青きドナウ」は、日本人には表現が難しいウィンナー・ワルツですが、団員の力をのびのびと引き出す青山さんの指揮に、95年度「ドイツ友愛歌曲コンクール」において最優秀伴奏のタイトルに輝いた武知朋子さんのビアノ伴奏を得て楽しんで歌うことができました。ワルツ第4では岡田伸太郎、竹内雅之両氏による美しく味のある二重唱も披露されました。

かつては男声合唱の定番だってドイツ物も、最近めっきり演奏されることが少なくなりましたが、若い団員から「歌ってみて新鮮な印象を受けた、現役諸君ももっと歌うべきだと思う」との発言がありました。

名曲故、今まであまりに多く演奏され、かえって演奏が難しい「ピエロ」ですが、観客の評判は上々でした。大阪男声の持ち味であるテナーの力強さが良く発揮されていたようです(我田引水)。私自身は約30年振りに歌ってみて、歌い甲斐のあるよくできた曲とあらためて感心しました。他のポピュラーな曲も、もう一度歌いなおしてみたいという気持ちを強くしました。

最後はマジャール語に一年間苦労したコダーイを力強く歌って演奏会を締めくくりました。曲の性格から小さなホールでの演奏に不安もあったのですが、全力を出しきるような迫力にお客の拍手にも力が。指揮の中川さん、お疲れ様でした。初めてコダーイを歌った団員たちも、その魅力を体感し、皆コダーイを歌えたことを喜んでいました。片桐知之さんのバリトンソロも、ANCORの会にも増して冴えていたと思います。

(ちょっと脱線)意欲的というべきか無謀な暴挙というべきか、ついに<定期演奏会>をやらかしてしまいました。実は第1回と銘打つてしまうと「第2回」ができなかった場合、恥ずかしいでないか、という慎重な(弱気な)意見もありました。とはいえ、やってしまった以上、何が何でも「第2回」をやらねばならないのです。というわけで、団員諸氏。次回に向けて練習参加よろしく。また、これから参加してみようかとお思いの皆様、この機会に1度遊びにいらしてください。

 

 

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