大阪大学男声合唱団(現役)が第68回定期演奏会を開催されました。

■日時:2021年1月23日(土)15:30開場、16:30開演

■場所:箕面市立市民会館グリーンホール

■演奏曲:

《第1ステージ》男声合唱組曲「わがふるき日のうた」
作曲 多田武彦、作詩 三好達治
指揮 仲田慶晴

《第2ステージ》男声合唱曲「海鳥の詩」
作曲 廣瀬量平、作詩 更科源蔵
指揮 本城正博、ピアノ 内藤菜穂子

《第3ステージ》男声合唱曲「季節へのまなざし」
作曲 萩久保利明、作詩 伊藤海彦
指揮 仲田慶晴、ピアノ 平林知子

■出演者 33名
(パンフレットには今回出演できなかった団員も掲載されています)

■プログラム・ハンフレット
(歌詞掲載ページは著作権の関係で割愛しています)

 

 

コロナ禍中 第68回 現役 定期演奏会 に寄せて

 中野洋介(1954入学、大阪男声B2)

令和3年1月23日。最初家内の猛反対に逢ったものの何とか説得して、氷雨そぼ降るなか箕面市立市民会館に足を運びました。

演奏内容などについては後で触れますが、今日一番印象に強く残ったのは終演時の川島運営委員長の挨拶でした。緊急事態宣言の中で演奏会を敢行するについては、制約の中での練習の苦労は勿論、感染リスクを懼れながらの苦渋の決断をはじめ周囲の反対・慎重論への説得など様々な経緯に対する思いがあった筈です。

実は私自身、能楽観世流師範として現在二十数名の社中に謡・仕舞の指導を行っており、日々稽古場の安全対策に苦慮している所です。昨春には開催準備をしていた周年の記念会の延期を余儀なくされ苦汁を飲まされました。

時折声を震わせながら今日にいたる経緯とその思いを述べる川島君の姿を見て身につまされた次第です。

客席は満席に程遠く盛り上がりに欠けるものでしたが、ステージはかなり良かった。当然十二分には歌い込めなかったであろう。3ステージとも楽譜持参。一回生の不在が影響しているのか? 萩原先生の発声トレーニングが効いているのか、何時ものやや粗削りな迫力に替えて、透明感のあるハーモニーが印象に残りました。特に第二ステージの「海鳥の詩」は本城さんの前触れの通り素晴らしかった。ピアノ伴奏も素敵だと思いました。大阪男声の8月の定演での「海鳥の詩」を何処までレベルアップできるか? 刺激を受けました。

全員黒マスク着用、指揮者もステージ先端からもう一段控えて合唱団との距離を取り、且つシールドを付けてのタクト。異例ずくめの舞台でしたが、中でもメンバー中の二割強がステージに乗れていないことに複雑な思いを禁じえません。様々な事情があったのでしょう。家族の強い反対などもあったのかと憶測します。

オンステージのメンバーは例年のような歌い切った高揚感は無いかも知れませんが、今静かな満足感に満たされているのではないでしょうか? 革めて深甚の敬意を表したいと思います。